去る3月12日、数日曇天の続いたあと久々の晴天のもと、地域包括ケアをテーマにした「平成27年度京丹波町地域包括医療講演会」を開催いたしました。
京丹波町ではじめての試みであった「京丹波町地域包括医療発表会」から数えて、4度目の開催となりました。
今回は、福井県おおい町名田庄診療所の所長”寄りそ医”「中村伸一」先生にお越しいただきました。先生は地域医療のプロフェッショナルであり、NHKのドラマのモデルや有名なドキュメント番組にも出演された経歴をお持ちで、書籍も出版されておられますし、知名度は全国区です。ご講演も数多くこなされておられる中、今回、満を持して京丹波町に来てくださいました。
演題は「地域に”寄りそ医”20年の物語」と題して、若くして名田庄地区の診療所に赴任されて以降の今日に至るまでのお話を聞かせてくださいました。
当日は、ご用意した357の座席を超える370名余りの皆さんに足を運んでいただきました。
講演前に、京都音楽舎アンサンブルの皆さんによる演奏を40分程度お楽しみいただきました。みなさん、素敵な生演奏と一度は聴いたことのある和洋の名曲にしばし酔いしれておられました。
その後の開会では、畠中副町長が参加者の皆さまに親しくあいさつを述べ、続いて京都府南丹広域振興局副局長 姫野孝宏様に祝辞を述べていただきました。
さて、中村先生のお話は、名田庄地区の住民の皆さんとのかかわりをエピソードや具体的な例を挙げてお話くださいました。先生の地域医療の実践、見送った患者やご家族とのふれあいのこと、「私は地域の皆さんに育てられた」とおっしゃる先生の熱弁に、地域医療の原点を見た気がしました。多くの参加者が涙され、また生きる希望を持たれたとアンケートに答えておられました。
中村先生は「医療にはガイドラインがあるが、人生にはない。だからこそ一人ひとりの人生に寄り添うことが大事」というとても印象に残るお言葉をおっしゃいました。
今回も、スタッフ手作りの会となり、司会は庄林医師、エントランスの受け付けは角谷医師や看護師長らが出迎えました。駐車場や道路誘導は看護師が中心に対応しました。
おかげさまで、事故もなく、またアンケートにも演奏がたいへん良かった、講演は本当に良かった、とありがたいコメントが多数寄せられておりました。
前田院長の「もっと身近な地域医療」という言葉が、今回もまた一つのかたちになりました。
来場者の皆さま、関係者の皆さまには、スタッフ一同心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
370名の来場者で会場は熱気に包まれております。
”寄りそ医”中村伸一先生
370名余りの参加者