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京丹波町医療等審議会について

京丹波町では、医師不足等の京丹波町の地域医療が抱える課題について検討するため、平成22年に「京丹波町医療等審議会」を設置され、平成22820日に「諮問1 京丹波町の医療の確保及び町立医療機関のあり方について」「諮問2 京丹波町における医療と福祉の連携について」の2項目について町長より諮問されました。

その後、医療等審議会において鋭意審議され、平成221214日に諮問1に対する答申が、平成233317日には諮問2に対する答申が出されました。

 

京丹波町医療等審議会のページ(京丹波町ホームページ)

 

京丹波町医療等審議会答申

平成22年度に出された答申のうち、平成221214日答申の「諮問1 京丹波町の医療の確保及び町立医療機関のあり方について」(要約)は以下のとおりです。

 

町立医療機関については、現在、旧瑞穂町から引き継いだ「国保京丹波町病院」(常勤医師数3)及び「国保京丹波町病院附属質美診療所」(非常勤医師数2)、旧和知町から引き継いだ「国保京丹波町和知診療所」(常勤医師数1)及び「国保京丹波町和知歯科診療所」(常勤医師数2)が運営されている。

また、合併以降の京丹波町においては、平成193月に出された「京丹波町地域医療対策審議会」の答申を踏まえ、各医療機関の改善が進められ、平成2110月からは、和知診療所の病床を京丹波町介護療養型老人保健施設(医師は和知診療所の医師が兼務。)へと転換した。

このような中で、各医療機関の常勤医師の状況は、京丹波町病院では医師の高年齢化が進み、近い将来の医師不足が見込まれ、併せて、和知診療所については、平成214月に1名の医師が本人の希望により退職し、その後の補充がないため、町立医療機関の医療体制における医師の確保が喫緊の課題となっている。

こうした中で町においては、医師確保対策として平成224月から将来の医師を目指す学生や臨床研修医等に一定期間本町の医療機関に勤務した場合に返還が免除される「医師確保奨学金等貸与制度」が創設されたところである。

【今後の取組みについて】

こうした現状の中で、直面する喫緊の課題は、現在の医師派遣元である京都府立医科大学から、継続して常勤・非常勤を問わず医師の派遣を受けなければ病院・診療所の運営そのものが成り立たないところにある。

従って、町立医療機関においては、医師不足解消のために、現在の派遣人数が確保された上で、常勤医師の派遣1名増を引き続き要望していく必要がある。とりわけ、内科の医師の確保が必要である。

併せて、現在、京都府医師会が実施している医師を紹介する事業(京都府医師会ドクターバンク)の活用も視野に入れ、京都府立医科大学以外からの医師確保も検討していく必要がある。

今後においても、京丹波町の町立医療機関において継続的に勤務ができる医師を確保し、町民が安心して健やかに生活できる医療の提供体制を構築していくことが急務である。

医療機関体制の見直し

現在、町立医療機関の運営については、国保京丹波町病院及び国保京丹波町病院附属質美診療所が、地方公営企業法財務適用による病院事業として運営されている。

また、国保京丹波町和知診療所及び国保京丹波町和知歯科診療所については、特別会計にて運営されており、各会計とも一定規模の繰入金及び負担金に依存した運営状況にあり、会計方式も病院事業会計と特別会計という異なる形態をとっている。

こうした運営は、町財政にも少なからず影響を与えていることから、転じて住民に財政上の不安を与えることになっていると考えられる。

国、府、町においても財政状況が厳しい昨今、町立医療機関のより効率的な財政運営に向けた不断の努力を傾注することは論を待たないところである。

また、医療機関は人材が支える事業所であり、医師をはじめとする人材により効率的に運営していくためには、各医療機関を従来の独立した運営を続けるよりも、合併のスケールメリットを活かして運営方法を一本化し、より効率的な運営形態とすることが理にかなった姿である。即ち、現場の意見を尊重しつつ、和知診療所を京丹波町病院と一体的に運営する方向で、運営と経営の効率を考えた検討をしていく必要があると考える。

国保京丹波町和知歯科診療所については、現在、特別会計の中で地方交付税相当額程度の繰入金により運営されているが、今後、民間の歯科医療機関において行われている土曜及び夕方・夜間の診療等のサービスを求められるのは当然であり、更なる運営改善を行い、早期に工夫を凝らした対応をしていくことが必要である。

併せて、和知診療所同様に京丹波町病院と一体的な運営を検討する必要があると考える。

また、医療機関は、経営体制の見直しに関して、昨今、主流となっている医薬分業による院外処方の推進やホームページをはじめあらゆる機会を捉えた情報発信等、民間医療機関が進める改善についても早期に検討していくべき課題であると考える。

なお、今後、公営企業法の全部適用も視野に入れ、2年に一度の診療報酬の改正に対応できる、病院経営のあり方を調査・研究していくことも必要である。

町民の安心を確保するための医療

安定した医療体制の確保に向けて

人口減少・高齢化が進む京丹波町内においては、地域の活性化に取り組む団体等も増えてきており、今後の活動が期待されるところである。

しかし、真に町民が安心して暮らせる「京丹波町」のまちづくりを考えるとき、「医療」は欠かすことができない生活基盤の要であり、今後も町立医療機関の更なる経営改善の取り組みと、町民に対し実情に即した適正な医療の提供を行っていくことが何よりも大切であると考える。

町立医療機関としては、国保京丹波町病院を医療の核とし、外科・内科を中心にして、24時間の救急医療をはじめ、診療可能な急性期対応を推進していく一方、近隣の病院等との連携も視野に入れることが必要であるとともに、2階の病棟は、急性期並びに維持期の病棟として運営するのが望ましい。

また、和知診療所においては、京丹波町病院と一体化を検討する中で、外来診療を中心にして更に連携を強化し、2階の病棟は老健施設を保持するとともに、地域実態を踏まえ一部病床の復活も視野に入れた検討が求められる。

また、町内の民間も含めた医療機関においては、今後の超高齢社会の進展に合わせ、維持期、療養期を主とした対応をしていく必要がある。

なお、各医療機関で対応できる範囲の急性期医療については積極的に推進するとともに、近隣の公立南丹病院や綾部市立病院等と更に連携を深め、町民に安心を与えていくことが必要である。

更に病病(病診)連携を密にすることにより、町内のどこに住んでいても、誰もが平等に医療を受けられる体制づくりを進めることが重要である。併せて、疾病や高齢化により通院が困難な受診者が増加していることを踏まえ、看護師・理学療法士等による在宅医療サービスの提供を更に充実していくことが必要である。このことは、医師の負担軽減にもつながり、前述の医師確保に大いに関わるものと考える。

また、町民が安心できる医療の提供には、医療機関側の体制整備のみでなく、交通網の整備も欠かすことができない課題である。

従って、高齢者の通院も視野に入れた町営バス路線の変更・ダイヤ改正の検討が必要であり、今後の改善が望まれるところである。

とりわけ町立医療機関においては、これまで以上に積極的に地域に出向き、住民に対して健康教育や健康相談を実施し、適切な医療機関へのかかり方の理解を深める等の啓発を行い、病院と患者の互いの信頼関係を構築していくことが何よりも大切であり、このことが「私たちの病院」として医療機関を存続及び充実させていく重要なポイントとなることと考える。

まとめ

以上、京丹波町の医療について改善・検討すべき点等を述べたが、まずは、町当局や医療機関が更に努力する姿を提示することで、町民の医療に対する認識や理解を深め、町民に病院・診療所を私たちの医療機関「マイホスピタル」と捉えてもらうことが重要であり、そのことが、ひいては医師という限りある社会資源の宝を大切にしていくという気持ちを芽生えさせ、「私たちの病院を守り育てていこう」という意識が育くまれていくと考えられる。

即ち、17千人の町ならではの地域に密着した「私たちの病院」として、医師を私たちの手で育てようという機運が醸成されることで、将来的に京丹波町に医師や医療技術者が集まる基盤が形成され、町民が安心して暮らせる町となることをおおいに期待するものである。

また、医療側も、「町民とともにある病院」として今まで以上に地域に出向き、住民に対して「顔の見える医療」に力を傾注することにより、信頼の絆をゆるぎないものにしていくことで、京丹波町の医療は、患者や住民からも信頼され、医師も安心して診療行為が行える町となっていくと考える。

このような相互の意識改善と互いを思いやる心を持つことで、私たちの町の医療はより良いものになっていくと思われる。これこそが京丹波町方式の「私たちの町の私たちの病院」を目指した、明日の地域医療へとつなぐ道と考えるものである。