京丹波町では、地域包括ケアシステムの推進をしております。
その一環として、京都府薬剤師会が行っております研究事業に参画するかたちで”iPADを使った実証実験”を行っております。
今日は、実際に現場でiPADを使ってデータ入力していただいている町内の医療、介護、 福祉の各分野の事業者の皆さんにお集まりいただきました。9月に実験を開始してから2ヶ月あまりが経過しましたので、実績や課題について検証しました。
冒頭、京大で集計いただいたデータの解析結果を報告いただきました。各担当者がそれぞれの評価に頷く場面が見られました。
そのあとは意見交換。良かった点として挙げられたのは、この端末を使って、患者さまの顔色や患部の様子、おくすりの使用状況、おむつの注文等の画像、動画、音声を共有できることでした。文字だけでは伝わらないことが的確に伝わりたいへん便利ということでした。一方、「記入内容がカルテ記録との重複作業に感じる」という意見や、操作性の向上に対する要望も出ました。そして最も大きな成果としては、端末を通じた交流によって、患者さまやご家族と”心をつなぐことができた”言い換えれば”安心を与えることができた”という、これまでにない役割が見出せたということでした。
さて、今後、システムの本格導入という方向性については、「すべての患者さまに対して必要というわけではなく、真に必要とする環境におかれている方に使っていただくのがいいのではないか?という方向性が実験によって見えてきた」と、野本教授がおっしゃられました。
京丹波町は、CATVの環境がほぼ整備されており、それを拠点にしたwi-fi(ワイファイ)通信が可能です。インフラ整備が必要ない点で、本格実施へのハードルが低いのは利点です。急にこのシステムを使った在宅医療をはじめるとしても、スムーズにはじめることができます。
今日の参加者の皆さまには1月末まで実験を継続いただき、更に多くのデータを入力していただくこととなります。
京丹波町の地域包括ケアシステムのひとつのカタチがこの検証の延長線上にあります。