春の足音がもうそこに聞こえてきそうな3月16日、地域包括ケアをテーマにした「京丹波町地域包括医療発表会」を開催いたしました。
京丹波町ではじめての試みであるこの催しのテーマは「みんなに寄り添う”京丹波町病院グループ”が目指す”この町の医療”」。 そして、目指す”この町の医療”とは”地域包括ケアシステム”の中に位置づけられます。
”地域包括ケアシステム”とは、高齢化が進む地域社会において、「保健」「医療」「介護」「福祉」の各サービスが互いに連携して、町民の皆さんとご家族の生活の質を維持する、つまり、皆さんがいつまでも健康で明るい人生を送れるようにするための官民を越えたセーフティネットワークです。誰でも、健康を損ねることはあります。その時に、入院治療から在宅医療と看護、またご家族による介護がスムーズに受けられ、再び健康を取り戻す。この流れをスマートにする仕組みとお考えください。
京丹波町の医療政策の柱として取り組んでいるこの”ことば”であり”仕組み”でありまた”方向性”を、とにかく今町民の皆さんにお伝えしたい。
では、誰がお伝えするべきか?やはり、それは現場だろう。ご案内のとおり、常勤医師をはじめ看護師、技師ら医療スタッフの口から直接お伝えすることになりました。ごく自然の流れとして、企画から本番の運営まで、すべてを京丹波町病院グループのスタッフで取り組みました。
さて、取り組みにあたってのスタッフのテーマは”一人一役”そして”おもてなしの心”。
~ 一人一役 ~
医療スタッフはそれぞれ技術と経験をもって各々の持ち場で患者様に接しておりますが、他部署のスタッフとの意思疎通も業務的になりがちです。これは正確確実に業務遂行するにあたって最も大切なところなのですが、スタッフ間の人対人としてのコミュニケーションはなかなかとる時間もなく過ぎていきがちです。今回の取り組み方として、スタッフ一人にひとつの役割を持ち、与えられた役割の中身は自分で考えるというところにポイントを置きました。役割でわからないことは同じ役同士で相談し、ほかの役割と連携・調整が必要なところは時間を作って打ち合わせする、そういう勤務時間外のコミュニケーションの中でこれまでにないスタッフ同士のつながりが生まれることをねらいとしたのです。
~ おもてなしの心 ~
病院、診療所のスタッフは、日頃は業務的な応接になりがちです。といっても、普段から声をかけあって気をつけておりますが、各々の持ち場がありますと、大勢の患者様の応対に集中しているため、業務の範囲を超えたところまではなかなか行き届きません。しかし、今回の取り組みはいわば”OFF”です。場所も病院、診療所から飛び出しました。ですから、せっかくの休みに足をお運びいただく町民の皆様に対し、「お越しいただきありがとうございます」そして「ご参加いただき、また長時間おつきあいいただき、ありがとうございました」と、この二つのおもてなしの思いを、院長、看護師長はじめ全員が”普段着”の自分で、お伝えすることとしました。後のアンケートでもこのことに触れたいへん高い評価をいただいたのはもちろんありがたかったのですが、何よりスタッフが気持ちも新たになったのではないでしょうか。この気持ちはこれからに生かされていくでしょう。
当日は、ご用意した200の座席を超える300名以上の皆さんに足を運んでいただきました。
おかげさまで、前田院長の申し上げた「もっと身近な地域医療」という言葉が、一つのかたちになりました。
参加者の皆さま、関係者の皆さまには、スタッフ一同心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
本番当日の朝、スタッフで気合を入れ記念撮影(唯一のオフショットです)
6年に及ぶ病院清掃ボランティア活動に対し、桧山寿会様に感謝状を贈呈しました
同じく、丹波桜梅園の皆様にも感謝状を贈呈しました
第1部は久美浜病院長 赤木重典様による講演
演題:「連携と協働による地域づくりを」
講演を聞き入る300名を超える参加者の皆さま
第2部は、「医師、看護師、技師のステージ」
(写真は地域連携室の中村主任看護師)
第3部は医療展示会 ~聞いて、見て、ふれあって~
医療スタッフと町民の皆様との距離がこんなに近くになりました。
(写真は、垣田副院長の「糖尿病と合併症」コーナーでの血糖値測定)
同じく、横井医長(内科)が聴診器で・・・
ひざとひざを付け合わすとはこのことを言うのでしょう。すばらしい。